夢の殻/
恋月 ぴの
たかがでは済まされない地平線に
ひとり佇み
夢は夢のままで
あるべきことを求められ
目覚めのときは何時も
偶然を装っては
ありのままの姿を
目の前に突きつけてくる
くるり渇いた鳴声の向こうで
夢の堅い殻を食いやぶり
黄身を啜る 青白いクチバシ
舌先三寸の言い訳で誤魔化そうと
焦る喉元に触れるのは
青白いクチバシの冷たい感触
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