晩 夏/
塔野夏子
僕らは終わりゆく夏の片隅に凭れている
空中に半透明の骨がいくつか漂っている
(時々うっすらと虹色を帯びて見えたりする)
何が朽ちたあとに残った骨なのか などと
僕らはもう考えることもない
なぜなら終わりゆく夏の片隅で
僕らはこんなにも眠たい
夏 そのものが
巨きなひとつの覚醒だったんだ
ゆるやかな骨の漂いに誘われるように
僕らの瞼はゆっくりと閉ざされてゆく
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