息継ぎの音階/かぜきり
います。
息継ぎのリズムを定型へと差し出します。
変色が聴衆を欺くよう塗りなおします。
重ねた音色の底を跳ね返す記憶を曖昧にします。
音色に隠れたのは誰でしょうか。
慌ててゼイゼイと喘ぐのは息をしているものです。
ぽつりと水面から夜空を仰いだのはそのものです。
水面は濁っています
夜空は月の蝕をかかえています
波間に雑じるのは小枝でしょうか
嘆息混じりの息継ぎを
二度だけ。
可笑しさはそこになくとも
笑い声がただ刻まれたよるのそらに挟まっていきます。
ふるえのまんなかから湧き上がる泡沫をとても羨んでいます
少しだけ長くなった(と誰かに言われました)
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