息継ぎの音階/かぜきり
浅く 浅く ふりはらうように 浅く。
うたをかえましょうか
どなたのこえにこたえましょうか
とぅーどぅー。
夜降る雨の水面は暗いです。
慌しいね、と浮き上がってくる泡沫を見つめがら今夜も泳いでいます
とても濁った水面を
薄めた視線で冷やかしながら
ここで泳ぐしかないのでしょうかと
バシャバシャと水音を激しく波打たせています。
誰も教えてくれない潜り方と向き合うことができないうちに
何時か見た鏡像と再びまみえるのは頂けない。と感じます。
笑い飛ばそうと自分を茶化してみます。
浅い息継ぎの度に窺いの笑みがついてゆきます
滑稽な音の連続が消失を震えへいざないま
[次のページ]
前 次 グループ"定点観憶測「驕り」"
編 削 Point(3)