隔離病棟/暗闇れもん
 
縛り付けたいと子供のような駄々をこねているだけ
母に似ていること
それは嬉しくもありどうしようもなく苦しいこと
何か怖いものから母は必死に逃げてきた
理由の無い恐怖が母に安らぎを与えることなくつねにそばにいる
少しずつ壊れている
それは仕方の無いこと
幾つもの仕方の無いことを越えて
諦めを知った
何も信じられない母が愛しているのは自分だけ
最初から
私が生まれてからもずっと

誰にも責められない
誰しもが自分だけ
私が母を憎むのは仕方の無いこと
そして私が母を愛しているのは仕方の無いこと
愛して欲しいと泣くだけの力があるのなら
私はどうしてその力をあなたに捧げられないのだろう
将来がたまらなく怖い
生まれる前からの母の病に犯されながら
嫌悪しながら
私はそれになりつつある
愛する人を母のように苦しめたくない
なりつつある未来に
諦められない事がある
母が私の母であるかぎり
私は母を諦め切れやしない




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