かんかく/岡部淳太郎
 
くをどうしてくれる? といきまいているというの
に、あいかわらずわたしはわたしであって、わたしのか
らだとあなたのからだはそれぞれのひふでくっきりとぶ
んだんされていて、(おれはそれがかなしいのだ)。あ
るいはおそろしいのか。このかんじょうも黒でも白でも
なく、その両方がまじりあったわけのわからない色づか
いだ。ああ、このかんかくをどうしてくれる。このちぢ
めることのできないかんかくをどうしてくれる。きょう
も空は夕焼けで、やつはにっこりほほえんで、くらいも
のとあかるいものをへいわにつないでいるというのに。



(二〇〇七年十月)
   グループ"散文詩"
   Point(5)