熊の目/はるな
 

季節のない部屋で
すごしたくせに
夏のくるたび
手繰られる記憶の
熱はもう遠いが
遠くで燃えている

形なんて
古臭いのに
捨てられなくて
ばからしいよな

熊の目で見る街は
平たくて退屈で
やるせなく
さむいよ

あの部屋の
無音に
膨れるような熱のこと
燃えないなんて
ばからしいよ

   グループ"くま"
   Point(4)