熊の目/
はるな
季節のない部屋で
すごしたくせに
夏のくるたび
手繰られる記憶の
熱はもう遠いが
遠くで燃えている
形なんて
古臭いのに
捨てられなくて
ばからしいよな
熊の目で見る街は
平たくて退屈で
やるせなく
さむいよ
あの部屋の
無音に
膨れるような熱のこと
燃えないなんて
ばからしいよ
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