メモ/はるな
 

部屋のなかにいて、やるべきことをあれこれと思い浮かべていると、とつぜん頭のなかがきゅんと鳴って止まってしまう。窓の向こうの方の白い建物に陽が当たってまぶしいさまや、風どうしがぶつかってひゅうひゅうひゅういってること、クッションに残されたむすめの形のへこみ。そういうものが、あんまり良いので、止まってしまう。春からまた違う街へ行くことになった。

結局この家もさして自分のものというふうにはならなかった。三年いた職場も。ただ、買ってきた花の茎を揃えたり、枯れた葉を摘んだり、いくつかある鉢植えを日当たりの良い場所へ動かしたりするときは少し気持ちが寛いだ。そういう時間のなかには場所があると思う。花は
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