読むことのスリル──ひだかたけし小論(3)/朧月夜
y」でしょうか。それとも、それらのどちらにも属さないものでしょうか。
詩人は、ある詩想に出会ったとき、二通りのしかたで対処します。「それを信じる」「それを疑う」二つの対処方法です。この詩において、あるいはその人生において、ひだかたけし氏はビートルズを信じた。そのことは疑いのないことのように思えます。わたしのような読者にとって、ビートルズはいささか古い時代の音楽、すなわちクラシカルに思えるのですが、青年期の原体験において、ひだか氏はビートルズを「信じた」。そのことは、肯定しても良いことのような気がします。
わたしは、ビートルズについてさして詳しいわけでもなく、正直に言えば、あまり興味もありま
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