読むことのスリル──ひだかたけし小論(4)/朧月夜
第三章 交感ということ
さて、それぞれの章に副題を付けながら、わたしはその本論から離れた論評だけを書いてきたように思います。言い訳を許してもらえるのであれば、それは氏の作品群があまりにも膨大であるためであり、わたしがこの詩人に関する情報をほとんど持っていないためでもあり、「読むことのスリル」を読者に味わってもらいたいためでもあります。ここで、ひとつの問いが生じます。「読書」とは何でしょうか?
この問いは本質論でもあり、「ひだかたけし」という詩人の詩を読み解いていく上でのひとつのアプローチ、すなわち個別の問いでもあります。わたしはこの小論を書くにあたって、十分な時間を持ち合わ
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