読むことのスリル──ひだかたけし小論(7)/朧月夜
 
しに課せられた課題は、「〈根源悪〉の原体験/異邦の恐怖(改訂8)」という詩作品を読み解くことです。この詩については、まず序章においてその冒頭部分を引用しました。「(改訂8)」と題されているように、この詩はいくどかにわたって改定されており、「〈根源悪〉の原体験/異邦の恐怖(改訂8)」は、現代詩フォーラムに残されている詩のなかでは、その十番目にあたる作品です。もう一度、その詩の冒頭部分を引用しましょう。
 
  薄暗い
  漠然と広がった
  空間のなか
  台形の
  ノッペリとした
  大人の背丈半分程の
  鉛色の工作機械が
  等間隔で何台も
  一列に並べられている
 
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