読むことのスリル──ひだかたけし小論(6)/朧月夜
第五章 詩心の行方
ここまでお読みくださった読者諸氏(とくに、その原典を当たってくださった方々)には、ひだかたけしという詩人の作品を読み解くことのスリル、そしてその詩心について、いくぶんかはご理解いただけたのではないかと思います。しかし、それは原典・原作の力であり、わたし自身の成果に帰するものではありません。氏の詩の量は膨大であり、現在のところ1400篇を超えます。宮沢賢治の詩が約800篇ですから、それよりも多いということになります。
さて、ここでこのような弁明を許してほしいのですが、わたしはあらゆる詩人に詳しい、というわけではありません。わたし自身がとくに読み込んだのは、
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