母との再会(三)/朧月夜
 
「わたしはこの時のために生きてきました。貴女を救うために……」
「そのために、魔導士に落ちたというのか?」
マリアノス・アリア・ガルデはわずかに顔をしかめた。
その微妙な表情に、エインスベルも当然のことながら気づいた。

「それで、アイリースとミジェンヌはどうなった?」
「二人の姉上は叔母に殺されました」エインスベルが苦痛に満ちた顔で言う。
「やはりそうか。それでは、なぜわたしだけが生かされたのか?」
「おそらく、禅定という形を取りたかったのでしょう。憶測ですが」

「ならば、やはりお前が王位に就くべきであろう、エインスベル」
「いいえ。貴女には国を率いる強さがあります。
 軍隊だけが力ではありません。温情こそが、何よりも国を強くするのです」

「貴女には、それが備わっている」エインスベルは付け加えて言った。
マリアノス・アリア・ガルデは苦笑した。
「エインスベルよ、お前はわたしに休むなと言いたいのだな?」
   グループ"クールラントの詩"
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