アジェスの森の戦い(二)/朧月夜
ラゴスの軍団長である、カイザー・ネルは言った。
「いいか、ここを突破されれば、残るのはナハテ・ガルの砦のみだ。
しかし、ナハテ・ガルに籠城するということは、
すなわち、我々ラゴス軍の敗北を意味する」
「なぜなら、敵は容易にナハテ・ガルを迂回して、
ラディアに攻め込むことが出来るからだ。
幸いにして、このアジェスの森は魔法素子が濃い。
そして、アースランテの前衛軍も遅れている」
「我々は、なんとしても、ここで敵を食い止める。
心配するな。クールラント軍からの早馬の報せでは、
クールラントには、まだ二万余りの兵力が残っている」
「ラゴス万歳! カイザー・ネル万歳! 俺たちは、
ラゴスの土地を、みすみすアースランテの奴らの手には渡さない!」
ラゴスの兵士たちは、息まきながら叫んだ。
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