アジェスの森の戦い(三)/朧月夜
クールラントの遠征軍が、アジェスの森に到着した時、
すでにアースランテとの戦端は開かれていた。
大規模な戦闘では、最初は召喚獣同士の戦いから始まる。
ラゴスには、召喚獣の扱いに長けた、エミル・アザルがいた。
その一方で、アースランテの軍隊では、
ハミル・エンディア、ガラコ・クロス、エイミス・ガリアノス、
ヨッホ・ガルデス、バルア・ノーガステ、ヨシモ・クーランテ、
といった魔導士たちがいた。
彼らの力は、エミル・アザルに比べれば若干劣るものだった。
五人の魔導士は、(ヨッホ・ガルデスはアイソニアの騎士の軍にいた)、
合わせて約百体のワイバーンを呼び寄せた。
それに対して、エミル・アザルは二体のドラゴンを召喚する。
ワイバーンは小回りが利くが、その攻撃力はドラゴンには及ばない。
アースランテの召喚獣が圧(お)されていることは、誰の目にも明らかだった。
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