ハーレスケイド、探索(七)/朧月夜
 
「あの方」……とは、ヨランの推測によれば、一人の魔導士のことを指している。
しかし、その人物がここで登場してくるということは、ヨランの予想外だった。
(この女は……何者なのだ?)と、ヨランも考える。
オスファハン邸で調べた二日間の知識では、計り知れない事もあるのかもしれない。

「オーマル様。オーマル様。ここは、取るに足らない盗賊の言ですが、
 わたしの問いに耳を傾けてくださいませ。あなたはなぜ、
 この世の理をすべて知っているかのように、お話しになるのですか?」
「それが、わたしの使命だからです。わたしは船における帆のような者です」

「船の帆? あなた自身に意志や感慨などは
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