鬼になった子供(鬼吉と春一番)/板谷みきょう
くてもなんとなしに感ずるんだべ。皆で仲間はずれにするわ、とり囲んでは、はやしたてるわ。
吉は鬼の子、鬼太郎
吉は鬼の子、鬼太郎
ってな。
澄乃は一番悩んだと。そりゃそうだべさ。幼馴染みだしな。まぁ、こりゃきっと、吉に想いを寄せとったんだべ。吉と今まで通り遊んでおれば、皆から仲間はずれにされるべし、親からは叱られるべし。かといって吉とは仲良くしてたいしっての。
ほとほと疲れての、澄乃は垣根越し吉に向かって言ったんだとよ。
「もう、遊びに来ねぇでけれ。」っての。
吉は、それをどう受けとったもんやら、ぷいと消えてしまったんだと。
それから暫くしてだ。きこりの間から噂になったのが吉のことよ
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