すすき野原で見た狐/板谷みきょう
『畜生の分際で、人間はおろか、この閻魔さえ、騙そうとするとは不届き千万っ!申し開きなんぞ、聞く耳、持たぬわっ!』
浄玻璃の鏡に、生きていた頃の姿が映し出されても、与一はムシロの上に座ったまま、うなだれて微動だにしなかった――。
一人の男が、日の照りつける一本道を、荷車をガラゴロと音を立てながら歩んでおりました。
荷車の上には、ガラクタの様な古い物が、山のように積まれておりました。
よく見るとそれは、埃にまみれてはいましたが、ありとあらゆる宗教に使われている様々な飾り物のようでした。
汚れた着物を、幾重にも着込んだ男の風体は、まるで物乞いの様な有り様でした。
少しづつ急になってい
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