記憶の断片小説続編・ロードムービー「卒業」/虹村 凌
第二ニューロン「吉祥天」
庵のアートスペースを出て、時間つぶしの為に、三鷹駅前のドトールに入った。
たった100mも歩かないうちに、俺は汗だくになっていたのだが、
庵は汗を一滴もかいていない。嘉人は鼻ッ先に汗をかいていた。
冷たいアイスコーヒーを一気に流し込み、ブラックストーンに火を点けた。
適当に茶を飲むと、店を出て吉祥寺に向かう。
嘉人の彼女は、まだ時間がかかるらしい。俺たちはゲーセンで時間を潰していた。
どうでもいい話だが、俺はゲームが下手だ。下手だが好きだ。下手の横好き。
嘉人は上手い。ゲーム大会で優勝する程じゃないが、仲間内じゃ強い方だ。
大きな画面で、銭形
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