エスカリエの沈黙・試論/ハァモニィベル
母様がなさる様じゃないもの、
神様は 母様のようじゃないんだもの」
《蜂と 風と は、そのとき
林檎の枝に 音を立てて
居た―と、いいます。
もう五月になったのだ。
庭にはあなたと母様と
ただ二人、
真白な花びらが雪のように 乱れて散る。》
と、(夢二)は
そう語っていたのでした。
すると、この時。
大きな柱時計が
静かに十二時半を報らせます。
「それは、云わば ニュウトンの足もとへ
林檎の落ちたのも同じこと である」
と(あの人)が言うように、 ・・・そうだ、
お昼を食べよう と 思いつきました。
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