新聞記者が残そうとしたメモ/りゅうのあくび
厳冬の足跡が消えるだけで
乾いた夜空ではきしむ靴音も
かすれて響きはしない
遠隔地から丸聴こえである
嘘発見器の警告音がする
その信号音の哀しい振動は
或る謎を解く鍵なのかもしれない
ちょうど今しがた
それらの信号音には
冬風に似た異音のような強度がある
すでに本姓本名不明の
日本国籍の人間が或る顔を
伏せた写真が手元にさえも見えていた
誰かのCodeNameが
何故か日本国籍であるにもかかわらず
異国の名前を通称しているだけではない
きっとここでは足跡がつかない
CodeNameでのTextsの流通が
隠れていると推定してみる
詩人たちには
それぞれC
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