ちょうど動物園の夜空で/りゅうのあくび
何を書いているのかは
もう分からずに消え失せて
星々の灯りももう届かない
*
夜の動物園の新しい檻は
まるで人類同士の諍いも
しきる鉄格子のようにして
従えられた動物たちは
すでに一日の仕事を終えて
家畜としてではなく
昔の暮らしを思い出していて
*
人類は夢の中でのみ
自由と云う檻のなかで
動物園で飼育をされる
動物たちの仲間に入れてもらう
どれほど財産があるかを別にして
どんな職業か顔立ちか性別かを別にして
どんな宗教か信条か言語かをも別にして
地球にある夜空は
僕ら生命にとって
たったひとつだ
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