一瞬と永遠はとても似ている/りゅうのあくび
 
夕立は突然やってきて
落雷で鉄道の
運行が遅れている
雨宿りをしながら
駅の改札口で彼女と
待ち合わせをしていて

たくさんの
雨粒のなかには
彼女の残像を映す
きっとひと粒の
大きな水滴ぐらい
あるだろうと
探し始める真夏に
どしゃぶりの大雨は
雨音とともに
窓際のそとで
降りそそぐ

ふと一瞬のうちに
大きな水滴を巡る追憶のなか
水に包まれた惑星の
地球をそっと宇宙で
ひんやりとさせる
僕らの小さな夏の部屋にも
涙のひと粒や
汗のひと粒を
永遠のうちに
僕らの運命とする
愛のひと粒をやっと
記憶のなかで見つけだす

都会の引越しに
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   グループ"彼女に捧げる愛と感謝の詩集"
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