一瞬と永遠はとても似ている/りゅうのあくび
 
しに降る
雪が積もった日に
白い息をたてながら
ふたりで引越をした
小さなアパートのひと部屋
ダンボールを運びながら
ふたりの眼鏡に
写し出されていたのは
一緒に入った布団の
とても切なくて暖かい
お互いの身体の温もりと
涙のような汗の雫

最初に迎える
真夏の遠い夕暮れに
最寄駅では
焦がれる熱帯夜の空を
見上げるとすでに
入道雲が通った跡がある
各駅停車が
彼女を乗せて
到着するのは
いつになるだろうかと
想いながら

小さな駅舎で
待ち続けて
電車が鉄道駅に
停まる時刻には
改札は彼女の到着とともに
開かれている

ずっと今を捧げながら
感謝に包まれる幻の花束は
愛を誓う印を
確かめるためだけに
ささやかに幸せをみせる
笑顔みたいに
ただにっこりと
楽しく咲いている
愛のある人間みたいに
ただ咲いている
愛の雫で出来た
水分で満ちあふれる
綺麗に咲く花がある

何だか
一瞬と永遠は
とても似ている

   グループ"彼女に捧げる愛と感謝の詩集"
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