精霊たちが棲む夜には/りゅうのあくび
やみ夜を照らす
ランプの灯が
消えていっても
地球で最も
はかなくて孤独な色は
黒く静かな夜空の色なのだから
太陽が沈む
もう何も見えない
漆黒の夜にも
恋する人と
ふれあえるぬくもりが
あればいい
今しがた
眠りから覚めた
夜の精霊たちのように
手探りで
うっとりと
抱き合いながら
部屋を暗くして
しっとりとよりそいながら
瞬きするとき
誰も知らない
凛とした素顔が
そっとのぞいて
かぎりのない夜空は
もうえりもとが
はだけて胸の奥にまで
ひろがり始めている
吐息の音だけが聴こえて来て
灯かりは消え入りそうで
素肌はいつ
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