笛吹き少年の行くえ(4)/Giton
 

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「雲はけふも白金と白金黒
 そのまばゆい明暗のなかで
 ひばりはしきりに啼いてゐる
  (雲の讃歌と日の軋り)」(注:「小岩井農場・パート4」(1922.5.21.))


つまり、「白金黒」の比喩で表現されているのは、まばゆい空に浮かぶ真っ黒い雲、あるいは、黒と白に彩られた雲の明暗の翳ということになります。

そうすると、「雪峡」の第2連:


 雲が燃す白金環と
 白金の黒の窟を
 日天子奔せ出でたまふ


は、すべて、空の上の現象。窟(イ
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   グループ"宮沢賢治詩の分析と鑑賞"
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