笛吹き少年の行くえ(5)/Giton
 
先をまっすぐに天に向けています。
そして、雪がふりかかったり、日があたるたびに、杉の悶えは、やや鎮まるのです:


「雪すこし降り
 杉しづまり
 からすども鳴く、鳴く、
 からだも折れよと鳴きわたる。
 
〔?…〕 ※
 
 雪ふれば杉あたらしく呼吸す
 雪霽(は)るれば杉あたらしく呼吸す
 
   ※
 
 雪すこしふり
 杉にそゞぐ飴いろの日光
 なほ雪もよひ 白日輪
 からすさわぐ」


さて、以上に対して、手入れ(推敲、加筆)が加えられたテキストを、↓次に示します(注:なお、前後をどこで切り取るかは、草稿に指示がないので、あくまで便宜的なもので
[次のページ]
   グループ"宮沢賢治詩の分析と鑑賞"
   Point(0)