笛吹き少年の行くえ(7)/Giton
えて、別の作品にメタモルフォーズさせる──と言ったほうがよいくらいです。
ところが、この詩の場合、“作品成立史”の最初から、作品の本体は〔A〕断片として形づくられてきたのであって、〔B〕断片のほうは、途中から合体された・主筋と関係のない鋏雑物のように思われるのです。もしも仮に、〔A〕を放棄して完成稿が成立したのだと理解するならば、それは、“ひさしを貸して母屋を明け渡す”ようなことになってしまうでしょう。それは、気まぐれなようでいて一貫性のある作者の性格にそぐわないように思われるのです。。。
そして、じっさい、上のテキストを見れば、〔A〕断片が完全に追放されてしまったわけではなく、?「塵
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