二月の星/石瀬琳々
その痩せた枝に忍び寄る風は音もなく
尖端に震えている明日 けれど確かな鼓動のように
その鼻筋に流れる涙はかなしみではなく
指をのばし拭い去ればただ あたたかな頬のぬくみ
僕は地に立って 愚直な二本の足を思っている
幼くつかもうとしている指を手を思っている
やがて歩き出す歩みが少しく軽くあるように
いつかくちずさんだメロディが僕を日々に運ぶ
遠くまで行こう
そして、という希望に熱に浮かされながら
二月の星よ、
瞳に宿る輝きを見つめ返したら
生きることの意味を知る
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