プレリュード/壮佑
 
のあいだ
老婦人は私を優しく見守っていたが
最後にしみじみと独り言を呟いた
「でも、ストーンズの
あの超簡単なイントロをトチるなんて……」
最終的な自制の糸がぷつと切れ
私はテーブルに突っ伏して嗚咽し始めた
「傷つきやすいんだから……」
『プレリュード』が流れるバス乗り場では
みんな早くしてくれないかなあと
運転手が大アクビしていた





※文書グループ「コーヒーショップの物語」




 
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