石狩挽歌/壮佑
 
コーヒーショップに夏が来て
向かいの席の女子高生が
ブルーソーダを飲み始めた
青い液体をストローでチュー
コップの中身が減っていくにつれ
女子高生は足先から海になっていく
水位は下腿から太ももへ
お尻からウエストへ胸へと上昇し
ブルーソーダを飲み干した時には
頭のてっぺんまで真っ青な海になった
途端にバッシャーン! 身体が崩れて
海水が一気に床へ流れ落ちた
店内はたちまち一面の海になり
セーラー服がゆらゆら浮かんでいる
客達は取りあえず泳ぎ始めた
潮汐と潮流の循環が始まり
セーラー服が沖へ流されて行く
海猫がミャーミャー鳴きながら
セーラー服を追って飛んで行く
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