石狩挽歌/壮佑
 

すると鳴き声を聴いたウェイトレスが
バタフライしながら唄い出した
(海猫(ごめ)ぇが鳴くからぁ、ニシンが来るとぉ〜)
かなりこぶしの効いた「石狩挽歌」だ
私は背泳で海猫を空に見送りながら
(赤ぁい筒袖(つっぽ)のぉ、やん衆がさぁわぐぅ〜)
精いっぱいのこぶしで応えた
他の客達もクロールや平泳ぎをしながら
一人二人と合唱に加わってくる
(あれからニシンはぁ、どこへ行ったやらぁ〜)
こぶしの効きまくった全員の大合唱だ
セーラー服はどこへ行ったやら〜
私は立ち泳ぎになると
水を蹴りつつ腕組みして考えた
(オンボロロ〜、オンボロボ〜ロロォ〜)
このぶんだと次の曲は
「兄弟船」がいいかも知れん




※文書グループ「コーヒーショップの物語」
※( )内は「石狩挽歌」の歌詞(作詞:なかにし礼)
 




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