【紫】ほかならぬむらさき オムニバス三編/るるりら
 
【透明なマグマ】


あれからというもの踏切が 透明なマグマだ
車を走らせていて
次第に車を減速させ
遮断機が ゆっくりと降りている
車と車の隙間を ゆっくりと歩いていた猫が 突然走りだし
けたたたましい通過音とともに
突然 猫の姿が 消えた。もってゆかれた。どこに。どこにいったの 猫。 


紫外線をあびて 列車はゆく
むらさきのそとを 列車がゆく


あれからというもの踏切で止まるたびに
世界は透明なマグマ 世界はムラサキ
打撲の色に うずき、 今日も遮断機が上がらない




【どこにゆきおんな】





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