【山】かなたのあなた/るるりら
 
厭だ。平行線なんて
人の話を聞こうともしないなら
まじりあうことも無い
プラスマイナス零なので
今の私は あなたは かなたまで土だ

わすれてしまった きよらかなものが
私の あなたの ゲーテ骨を ノックする
清水は喚起する杏色に 私を あなたを あまいろにあたためる
自然は こどものような私や あなたのまわりに
あるのではなくて
私と あなただ

だから隆起して 音楽になりたがる
ほら 声に波長があるように
あなたと わたしの波長の山と山のあいだにも
稜線がうまれる

わたしは謳う
ことばのはしばしに実る
ちいさなスイカにも 白い産毛
そよそよと あなたとわたしの山の間で
ゆれて しだいに育つふくよかさを
てざわりを確かめ合う あなたと わたしを
わたしは あの遠くつづく山のように謳う


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novelistの「詩人サークル 群青」参加作品
課題は【山】 

   グループ"「詩人サークル 群青」るるりら"
   Point(5)