川柳が好きだから俳句を読んでいる(3、赤尾兜子のこと)/黒川排除 (oldsoup)
 
 人間はふたつのタイプに分けられる、という表現は便利である。なんでもふたつに分けられるからだ。極論すれば有機物か無機物であり、女か男である。俳人という存在はふたつのタイプに分けられる、自殺するものとしないものだ。おれが全句集を持っている俳人のうちふたりは自殺している。そのうちのひとりがこの赤尾兜子だ。昭和58年というからたいそう昔の話だが、どうも新聞から引いたというインターネットの記事によれば煙草を買いに行く途中阪急電鉄に飛び込んで自殺したそうだ、自殺(笑)。自殺ははっきりいってクソの人間のやることである、それだけで人間の価値を下げるし、人間が人間としてあった関係も粉々にしてしまう、しかし一般的な
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