川柳が好きだから俳句を読んでいる(4、飯島晴子のこと)/黒川排除 (oldsoup)
 
 前回は自殺した赤尾兜子のことを書いたので、ついでにもう一人の自殺した俳人のことを書いておこう。飯島晴子である。このひとも自殺した事実が先に立っちゃう作家なので個人的にはその点においてのみ強烈にキモッと思う次第ではある、作品は優れているけれども。作家の自殺について書くことはもはやないが、このひとは七十九歳で自殺する、しかも遺族が自殺であるという事実だけは公開し理由は伏せる、という複雑な事情を有している。このことがまた異様な余計な先入観をつけて回るのであり、困ったもんだね、なんだったら彼女の自殺について考察しているインターネットの文章もあるほどだ。

 花火描(はなびかき)一どきに死ぬ寺の中

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