川柳が好きだから俳句を読んでいる(7、津沢マサ子のこと)/黒川排除 (oldsoup)
 
に素直であり何も見えない。おれという奴は本当に昔の記憶に左右されるので昔あったSaGa2というゲームボーイのRPGに登場した「まぶしすぎて何も見えない洞窟」から、真っ白であっても真っ黒であっても一緒だという教訓を頂いているのだが、まさに津沢マサ子の作品はそれである。過剰に素直であるためどこを触っていいのかてんで見当がつかないのだ。今上げた二句、この間には三十年ほどの月日が開いているのだけども、まったくそれを感じさせない。常に安定しているのか、それとも時間が止まっているのか。彼女は今現在、いつどこにいるのか?

 夕焼けの下のどこにもない番地

 もちろん作風の変化が全くないわけではない。当
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