夏の終わりに/そらの珊瑚
沖に出てあおむけに視るこんなにも空の広さがおしよせてくる
優しげな名前とは裏腹に盆過ぎて泳ぐ子 戒める海月
光る波ひとつふたつと三角の硝子の意志が増殖してく
足裏の次第に砂がさらわれてぐらんぐららん崩れゆく今
波と去るビーチサンダル追いかけたさよなら言うには未練、あります
さざ波よ 寄せては返す単純な仕組みがどうか続きますよう
波打ちの際の白く泡立てて夏の終わりと炭酸飲料
満ちている 沈む もまれる この海で浮力あること確かめ生きる
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