立冬月の秋のこと/小池房枝
 
雀たちふわふわススキを持ち帰り夜寒の寝床に足し綿しなさい

凪という名前の少女を知ってます炎の魔女と呼ばれていました
  
ナンテンとツルウメモドキとピラカンサ小鳥たちおいで朱いご馳走

目に見えぬ子らが遊ぶか忙しなく黄色や茶色の葉っぱ散るらむ
 
夜ごとにひとの心に触れながら薄れてゆくも蘇るも月

昔日に「カモカモ come on !」とカモたちに叫んだ友を思い出す秋
 
この時期は軌道の真上に落ちる陽が直に十二の車両をつらぬく
 
「けだもの」と「けもの」は違う「けだもの」は「けだものだもの」百パーセント

外海と同じ色したルリハコベ瑠璃をそのまま手に取れた不思
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