詩忘れ月の歌/小池房枝
も恐れず
汲み上げる水車にも似て観覧車 人々さざめきながら乗り込む
考えてみれば乱暴な星である空から水がだばだばざぁざぁ
あるでばらカピバラんとは牡牛座の主星から来た宇宙人だよ
ことこととジャムに煮られる林檎たち
リンゴ語でぷちりぽちりとおしゃべり
三上章(みかみあきら)「は」と「が」についてが有名です。
「ば」と「か」ではない。間違えないで。
君たちが世界と思っているものは社会なだけだよ世界は広いよ
寒施行油揚げ添え小豆飯供えれば街のアライグマ来る
かぼちゃぽちゃん湯船にそっと浮かべれば柚子がふわりと波に乗ります
今生は未生の緑を身のうちに抱いたまま土に還るどんぐり
地球からごくゆっくりとヒトたちは退いていけたらいいのだけれども
交すものは音と光の合図のみ船と船そして灯台と船
ただ其処にあること霧笛を響かせて届かぬ光を投げ続けること
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