【 カラスの勝手じゃない! 】/泡沫恋歌
が
カラスの後ろ脚キックはかなり強烈だった
危害を加えた訳でもないのに
まさか 自分がカラスに襲われるなんて
想像もしてなかった
道を通っただけで攻撃するとは
上等じゃんか!
その日からカラスは私の生涯の敵になった
近くにお前の巣があったとしても
雛たちの巣立ちシーズンだったとしても
餌がなくて苛立っていたとしても
そんなことは知るか!
「カラスの勝手でしょう」
そんな理屈は私には通用しない
動物愛護協会に怒られても
日本野鳥の会のメンバーに睨まれても
グリーンピースに大砲を打ち込まれても
カラスめ
お前の勝手なんか 断じて許さん!
人間さまを舐めんなよ
いつか成敗してやる
ポケットに小石を忍ばせて
自転車に跨り今日も行く
覚えてやがれ!
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