女へのコラージュ/草野春心
死を待つ、砂浜の、(女た
ちの)、無数の、(女たちの)、魚たちの、
(女たちの)、私たちの、(あなたたちの)、
回収されて
逝く
瞳には
光
「光の糸」
夏
みちびかれるように
目覚め
朝の戸を
開き
川べりを
一人、歩き
木々や
痩せた鴨と出会い
みちびかれるように
光だけを
追い
光だけを
思い
どこまでも
どこまでも
果てへ
源まで
一人、歩き……
蝶と
蝶が
舞いながら交わるところで
手首に
しろい糸が
むすばれていることに気づき
みちびかれるように
遡れば
蝶を
木々を
鴨を
川を
光の群れを
世界を
この
夏の朝のすべてを
みちびかれるように
遡れば
かつてきみが
ねむっていたところ
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