隙間/草野春心
彼女は桜色の服を着ていた
胸はどちらかというと小さく
前髪は幼く整えられていて
なにかの花の香りがした
彼女はただ、
ある朝、部屋に入ってきた
木漏れ日のようにそっと
それから何度か
僕の頬に控えめな口づけを残して
ある朝、再び部屋を出ていった
今日、窓の外では
冬らしい白い太陽が
空気を穏やかな色に染める
すべてのものに差し込まれた
固いねじがくるくると緩められ
やがて静かに取りはずされる
その音を
僕は聞いた
愛していたよ
誰よりも、
君を
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