ポエム/草野春心
不器用な今日の夕陽が
きみの頬を無防備に照らしてる
絵に映える出来事もなく
通り一遍の言葉ばかりで、また
僕たちはサヨナラを示そうとしてる
駅へと寄せる賑やかな波に
溢れくる後ろめたさをこっそり流して
車窓一杯に広がる田園の中に
ポツリと立ってる案山子みたいに
風雨に曝されるのは得意じゃなくて
つめたい影を賢しくよけて
寂しさの降る夜は、灯りをぶら提げる
けれど軽やかに笑う風車に憧れ
時々は心を空に預けてみたくなる
ずっと前きみに贈った
一編のポエムのこと、覚えてる?
何度も書き直したつもりでも
思い出すのも照れくさくなるような
でも、あんな風にきみを愛せたら
今日の夕陽より強く優しく
きみの頬を朱く染めることができたら
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