夜の芝生/草野春心
 


  夜の芝生で
  いるかは一度だけ跳ねた
  手に拾えそうなほどの光が今日、
  とおくの月やら星やら町やら、そんなものから
  迷いこんできていたから、けれども
  そのなかを泳ぐには、あまりにも
  水が少なすぎるから、いるかは
  一度だけ跳ねた 夜の芝生で
  手をかさね 愛のなかにまどろむ、
  わたしたちのまえで



  
   グループ"春心恋歌"
   Point(7)