積み木/草野春心
 


  積み木の赤い部品が
  緑のうえにそっと載る



  駆け抜ける電車の影が
  血の気のない床を砕いて
  それから
  途絶えて消える
  轍のひとつも残さず
  羽根のような静けさの
  寧ろ喧しい夕餉時




   グループ"短詩集"
   Point(7)