nakigara/草野春心
 


  Lの音が一つ
  皿に一つ載った
  まもなくあなたの
  肺のあたりに茂る森へと
  死のような霜が降りる


  尖る、Sの音が
  折れまがった 裸体の
  女たちが 蕁麻(いらくさ)の葉へと
  俯せる ひとつ、
  ひとつ



   グループ"短詩集"
   Point(4)