果皮/草野春心
 


  仔犬の映像が 午後になると
  卓上に置いた梨のまわりを駆け始めた
  おもてでは雪がもそもそ愚かさのように降って
  わたしの居る部屋に面白味のない光を積もらせる
  次第に岩石になっていく魂を肚の辺りに感じながらわたしは
  淡い色の果皮を蔽う ゾッとする孤独の被膜を
  長い時間 観察させられていた



   グループ"短詩集"
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