果皮/
草野春心
仔犬の映像が 午後になると
卓上に置いた梨のまわりを駆け始めた
おもてでは雪がもそもそ愚かさのように降って
わたしの居る部屋に面白味のない光を積もらせる
次第に岩石になっていく魂を肚の辺りに感じながらわたしは
淡い色の果皮を蔽う ゾッとする孤独の被膜を
長い時間 観察させられていた
前
次
グループ"短詩集"
編
削
Point
(5)