【批評祭参加作品】村上春樹の過大評価を考える/番田 
 

村上春樹氏の小説の意味は全然わからない。そしてなぜ、こんなに万人受けするのか、よくわからなかった。私は彼の小説は読んだことがあるのだが、私に対して何の感銘も与えられなかったし、多くの人のように、手放しで賞賛するということはできなかった。彼の小説は、何かを訴えたいのだということについて、私たちに対しては明確な風景を与えることなど不可能で、雑誌の四コママンガのように記憶の隅から消されていく。彼の小説は、登場人物は少ないし、風景が明快に描き出されるということも少ない。読者としては何をどのようにして読んだらいいのかを困惑するばかりである。それは何故なのか。寝言を言っているように読むこともできる。心理描
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  グループ"第5回批評祭参加作品"
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