このはなさくや/……とある蛙
々杵(ニニギ)
木花之佐久夜(このはなさくや)と契ったが
一晩契っただけで、
子を身籠もることに不審を抱き
このはなさくやを責め立てる。
室に火をつけ子を産んで
身の潔白が晴れようものか
誓約(うけい)の仕方の悲劇性
海幸、山幸は不倫の子
それともこのはなさくやの愛の子か?
たとえ父がニニギでなく
国つ神との愛の子でも
真実(ほんと)は火の中闇の中
死んだものに口はない
いずれにしてもわれわれの
その孫として
始馭天下之天皇(はつくにしらすめのみこと)
神武が生まれ出る。
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